オルカの日記

雑記と少しの自転車旅

自転車旅に出た話。

5月19日。自転車旅に出た。

もう、本当にアホ。運動もせずに荷物を30kg弱くらい積みに積んでの出発。初日から上り。午後からは雨。体力なんか早々に無くなるし、雨が降ってからは心もボロボロよ。

勢いで出発したもんで、出発してから、「あ、これはダメかもしれない」と何度も思った。

 

もみじ谷大吊橋

栃木県塩谷町からの出発で、矢板市那須塩原市ときた。

交通量の少ない道を選び、上り坂をできるだけ避けながら行くんだけど、想像していたよりも悪路だったり、車通りが多いから別ルートを行けば思いっきり上り下りのある道だったり。

矢板から県道30号線を北上して関谷に向かう途中、箒川の橋の手前を左に折れるともみじ谷大吊橋へ抜けれるんで、歩道がなかったり自動車の交通量を考えればこのルートが正解だろうと入り込んだのが失敗だったかもしれない。とにかく上ったり下ったりでとにかくしんどかった。上りは自転車を押して、下りだけ自転車に乗って、上り坂のカーブの先にまた上り坂があり絶望しながらも休憩を繰り返して何とかもみじ谷大吊橋までついたわけだ。

 

もみじ谷大吊橋2

天気も悪い。

早く行かないと雨が降る予報だし、降る前にできるだけ進みたい気持ちもあるんだけど、やっと見つけたベンチで寝転がったらなかなか起き上がれない。

あとトイレにも行きたい。着いた側のトイレは故障中で、トイレに行くには橋を渡って料金所のある賑やかな方に行く必要があるし、そっちに行ったらベンチで横になれない。できるだけ便意と闘いながら休憩して、分が悪くなってきた頃に行動しようと思う。

出発も早かったし、何より昨日の午後4時から寝てないこともあって眠いし疲れてるし動けなかったのだけれど、さすがにトイレは行かなきゃいけない。旗色が悪くなってきたので仕方なしに通行料金を支払ってトイレに駆け込む。橋の通行料金は300円。

 

水分補給後に出発。

もみじ谷大吊橋から幹線道路に出るまでの上り坂がしんどい。吊橋を出発して5分。早々に体力を9割持っていかれる。先にトンネルがあったので、ここは一旦脇道に入り、迂回することにする。

このまま塩原を通り福島を目指すことになるけれど、この時点で「今日は塩原まで」と心に決める。塩原を抜けて中三依まで行くまでに急な上り坂と長いトンネルがあるようで、ここを抜けるのは危険だろう、と。体力もなくフラフラで雨で視界が悪い中では事故の確率も跳ね上がる。自分もしんどいし、車の視界不良で初日から事故に遭うようなことにはなりたくない。

予報よりも早く雨が降り始める。

再び大きなトンネルに遭遇し迂回するか通過するかで悩んだが、交通量が少なかったことから通過を決めた。今まで迂回するたびに上り下りに苦しんだこともあったし、Googleマップを見る限り、トンネル内は1.5kmで、20m上り坂という緩やかな勾配で10分かからず通過出来ることや、迂回路よりも大幅に距離が短いこと、雨を避けれること、総合的に考えた結果だったけど、結果的にこの選択は間違っていなかったと思う。

トンネルを抜けると、なかなかの豪雨。急いでレインジャケットを着たけれど、坂道は完全に川と化し、上り坂になるたびに靴内に雨水が侵入する。心まで冷え切ってくる。

上り下りとあるなか黙々と歩き、何とか塩原の街中まできた。

所々からわずかに温泉の匂いがする気がするししない気もする。温泉街というだけで鼻がそう錯覚しているだけだろうと思う程度の匂い。

ここから泊まる場所を探さなくてはいけないのだが、テントを張る場所が見た感じない。とにかく休むために、塩原温泉各地にある廃旅館のうちのひとつで雨宿りをする。靴下も脱いで足を乾かす。

時間は14時。午前3時からご飯も食べていないのでいい加減何かをお腹に入れたいとGoogleマップを見ると、この廃旅館の隣が和菓子屋さんだった。道路に出て隣を確認すると、確かに「亀屋本舗」とある。これ幸いにと和菓子屋さんの駐車場へ移動し、和菓子を購入。屋根付きの駐車場で和菓子を頬張った。糖分が全然足りていなかったおかげもあって、とにかく美味しい。

お腹にものが入ったことで幾分か落ち着いた。が、泊まる場所を探さなくてはいけない。

天気予報を見る限り翌日まで降り続く予報なので、雨の中テントを設営することになることを考えると気が重い。街を抜けて人が少ないところを目指す必要がありそうだけれど、街を抜ける元気がなかった。

 

「もう、旅館でよくない?」

 

そう考えたら行動は早かった。

ネットで調べればすぐ旅館が見つかって、身体を休めるだけなので、豪華な食事の出ない安い旅館がすぐに見つかった。予約に空きがあることを確認してチェックイン開始の15時と同時に訪館。無事チェックインを済ませる。

塩原温泉 八汐荘。

八汐荘

平日の素泊まりなら一人一泊5000円程度。しかも10畳と広い。流石にここまでの広さはいらないけれど。ただ、旅をするためにテントを購入した以上、何となく反則をした気分になる。

まぁ初日、雨、体力の限界とあって、早々に切り替えた。旅の目的も特にないので、好きなように行動したらいいのだ。

部屋に着いて横になって気づいたら寝ていた。

スマホの充電やエアコン前に衣類を干すなど、寝る前にしっかりやっていたことに起きてから気づいた。記憶になくてちょっと怖い。

夕食、朝食はお弁当が購入できるので、そこで購入して食べることにする。お弁当は近くのコンビニで購入した方が安上がりだと思うが、すでに筋肉痛で歩き方もおかしくなっているので無理せずホテル内のお弁当を購入する。昔は超回復なんていう言葉もあったけれど現代においては否定されているようなのでおとなしく養生するのが一番である。風呂は大浴場が面倒なので部屋の風呂で済ませる。足が上がらなくて湯船でつまづいて転んだ。

何日かは塩原を観光しようと心に決める。

のんびり見て回って、足を休めつつ適度に歩いておきたい。

自転車の盗難リスクがあるとなかなかできないことも多く、旅館に荷物を置いておけるうちに行きたい場所に行っておこうと思う。