オルカの日記

雑記と少しの自転車旅

少額訴訟の判決文、届く。

本日、判決文が届いた。

判決文は「特別送達」という特殊な配達方法で、配達員と対面での受け取りになる。

なんせ裁判所からの手紙なもんだから、配達員からどう見られるのか気になってしまう。

僕の場合、配達時は不在だったものだから、ポストに不在票を入れられ、差出人が○○簡易裁判所となっている。さぞ驚いたことだろう、その不在票を同居人に見られてしまった。プライバシー保護が叫ばれる昨今、この辺りはまだプライバシーもクソもない。「え、こいつ誰かに裁判起こされたん?」と変な誤解をされないよう伝えなければいけないような気もするが、別にこちらは原告側で全面勝訴で、ただ貸したお金返してよって言ってるだけ。しかも全てが終わって判決文が届いたところなのだから言う必要もないような気もする。ただ言わないと誤解されっぱなしのような気もする。同居人は何も聞いてこないし、多分気にはなってるけど聞くに聞けないんだろう。変な誤解だけはしてくれるな。聞きたきゃ聞いてこい。深くは話さんけど邪推しない程度に話すことはできるんだ。

ちなみにこの「特別送達」と言う配達方法は訴状が被告に届けられる時も使われているらしい。受取拒否をしても受け取ったとみなされるので逃げも隠れもできない恐ろしい配達方法である。いきなり裁判所からよくわからない配達方法で封書が届くんだから驚くだろうな。

 

そしてこの裁判所からの封筒。

封筒には赤文字で「特別送達」とあり、住所氏名の記載はもちろん、「事件番号:令和4年(少コ)第○号」との記載もある。切手も1100円ぶんくらい貼ってある。すごい威圧感。

ネットで調べればこの少コというのは少額訴訟のことだとわかる。そう。何で争ってるか開封しなくてもわかる。プライバシーとは。

そして差出人である裁判所の住所や電話番号の他に 「□刑事係 □民事訴訟 □支払督促 □民事調停」と記載されていて、僕の封筒には民事訴訟にレ点が入っている。うん。調べなくても確実に揉めてるのがわかる。プライバシーなんてものは一切ない。

 

まぁそんなこんなでやっと受け取った判決文。別に中を見なくても判決文は裁判所で読み上げられたのだから、特に目新しいことが書いてあるということはないが、1ページずつ見ていく。

 

1ページ目は大まかに言うと「この裁判はこんなふうに行われましたよ」と言う内容。

大きく「第1回口頭弁論調書(少額訴訟判決)」とある。

事件番号「令和4年(少コ)第○号」、行われた裁判の日時「令和4年11月11日○時」、場所及び公開の有無「○○簡易裁判所民事訴訟係法廷で公開」、裁判官名、裁判所書記官名が書いてある。

続いて、出頭した当事者等「原告名(僕の名前)」、弁論の要領等「原告 意見陳述、被告 答弁書陳述擬制」の記載が。

被告不在のため出頭した当事者は原告の僕だけの記載になっている。弁論の要領も被告は答弁書陳述擬制と記載されており、(不在なので)答弁書を以て陳述したとみなすという意味合いらしい。不在とは書いていないけれど、いなかったことは読み取れるようになっている。

他に、「弁論終結」、「別紙の主文及び理由の要旨を告げて判決言渡し」の記載が。裁判官の認印と書記官の印鑑も押してある。

他にも和解、弁論準備、証拠調べの指定期日を記載する欄もあったがこの事件には関係のないもので空欄になっている。

 

さて、2ページ目。

2ページ目はこの裁判の結果が記載されている。判決文である。

と言っても最初に「別紙」と書かれているのでおまけでついてきたような感じがしてしまう。1ページ目に「別紙の主文及び理由の要旨を告げて判決言渡し」とあったが、その別紙のようだ。

 

第一、当事者の表示「別紙当事者目録記載の通り」(3ページ目に当事者目録あり。原告と被告の住所氏名の記載があるだけである。)

 

第二、 1、主文 「被告は原告に対し金○円と、うち○円に対する平成30年5月1日から支払済みまで年20%の割合による金員を支払え」(なんだかんだ60万円台)

    2、「訴訟費用は被告の負担」(裁判の手数料と予納切手代。だいたい1万円くらい)

    3、「この判決は仮に執行することができる。」(異議申立てもできるけど、今のところこの判決が有効になっている状態ですよという意味らしい)

 

第三 請求

    1請求の趣旨 主文同旨(主文と同じ)

    2請求の原因 別紙請求の原因に記載の通り(4ページ目の別紙)

 

第四 理由の要旨 「被告は、本件口頭弁論期日に出頭せず、陳述したものとみなされた答弁書によれば、請求原因事実を明らかに争わない」(被告が出頭しなかったから答弁書で判断するしかなかったんだけど、請求原因について何も触れていないから原告の言うことをそのまま認めたことになったよと言うことらしい)

 

2ページ目が一番裁判感のある内容。主文は別紙扱い。デカデカと賞状並みの仰々しさで印刷されてるものだと思ったけど全然淡白である。

第四の理由の要旨の通り、もし訴えられたら答弁書はしっかり書いたほうがいいということがよくわかる。答弁書をしっかり書いて、現実的な返済方法や支払猶予、遅延損害金免除の要求をすれば出頭せずともだいぶ減額が認められた可能性もある。もし訴えられるようなことがあったらその時はこの記事を思い出して欲しい。

 

さて、3ページ目は当事者目録で原告と被告の住所氏名が載っているだけ。

4ページ目は訴状に書いた紛争の要点(請求の原因)をそのままコピーしたものが貼り付けられている。

 

そして最後の5ページ目は、デカデカと「これは正本である。」と書いてある。

そして書記官の名前と印鑑がポーンと押してあるだけ。

うん。2ページ目がピークだったな。

 

さて、この判決文が届いてから2週間は被告から異議申立てがあるかもしれない期間で、それがなければ判決が確定することになる。

 

長々と書いたけれど、この裁判は被告の答弁書の不備と出頭しなかったことが主な理由で僕の主張がそのまま通ったぬるい裁判例である。

少額訴訟は原告と被告が話し合い、妥協しあって解決を目指す裁判である。被告がしっかりと答弁書を書いていれば、被告が出頭していれば、おそらく僕が不服だったとしても20万円くらいの減額と以後の遅延損害金の免除くらいはされていただろう、と勝手に思っている。被告側から見れば、仮に払うつもりはなくとも法的に減額が見込めるこの機会をみすみす逃すのは悪手だったと思う。被告は裁判をあまり深刻に考えていないのかもしれない。

相手側は持ち家だから、最悪の場合、家を差し押さえられる可能性があることもわかっているはずだ。元々は10ヶ月で返し終わるはずのお金が5年経った今も返済されず残っていて、今では家を差し押さえられる状況にまでなってしまっている。60万円以上の借金、しかも月々5000円の遅延金が発生しているのに月々3000円を返していくと言っている。毎月2000円増えるんだが。∞年払うつもりなのだろうか。

あまり言っていい話でもないが、仮に彼が死亡しても、その遺産を相続した人に請求することができる。家を相続したと思ったら山ほど借金も相続してた、なんてことになるやつなのだ。誰が相続するかは知らんけれど、相続するのがこの借金の原因を作った娘なら自業自得で仕方なし、支払いを滞らせた息子ならそれも仕方なし。むしろ若い人たちの方が働けるぶん返してもらえそうである。そう。被告が亡くなって誰かが相続してくれたほうが解決の道が近いという、心のどこかでそんな状況になった方が、と思ってしまうようなそんな状況がすごく嫌なのである。

長生きして早くお金返して、そこからさらに長生きしてくれるのが一番なので、裁判が終わったところで要交渉である。そして最悪、存命のうちに不動産の差押えをするしかない。近々支払いの督促書を送り、現実的な返済方法の提示をお願いするつもりだ。

ただ、裁判で請求の棄却を求めたこと、非現実的な返済方法を提示してきたことに対しては、こちらに戦線布告をしてきたと解釈しているし、散々煽ってきたくせに裁判に出頭しなかったことに対しては結構怒っていたりする。今になってどうにも怒りが止まらないのである。男はカッとなるけれど冷めやすく、女は後から徐々に怒りが湧いてくるタイプが多いと聞くが、僕は女性的だったようだ。

とにかく今は本当に怒っているのである。スーパーで買ってきたちょっとお高めのコーヒーゼリーでなんとか頭の沸騰を抑えているのである。

とにかく冷静に、だ。今どんなに感情を昂らせようが、払ってもらえるならそれでよし、払ってもらえないなら残念だけど強制執行。それしか道はないのである。